アンチ建築家精神は健全である。モデルハウスからもどった日、わたしは精神科医のKさんに電話を入れた。初めてモデルハウスというものを見学して、印象を整理したかったのだ。「最近の住宅は装飾がとれてきたと思いますか?」わたしはきいた。「相変わらず装飾過多もありますよ。無駄のないということでは、ただの四角い箱のような初期のプレハブ住宅はまったく無駄がない」「でも、それだとあまりに味気ないな」「ただ、バブルのころにヨーロッパの絵はがきにあるような家が、やたらと出まわったから、いま装飾を排するという考え方はいいんじゃないですか」「ぼくのようにふだん家で仕事をしていると、どうしても住宅に仕事専用の部屋がほしい。
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できれば、外観は簡素だけどどこか主張がある住宅。そうやって注文をつけていって適当な商品が見つかりますか?」「一番いいのは建築家にたのんで注文住宅を建てるということ。日本で一軒しかない自分だけの家ということになりますかね」